賃貸併用住宅の建築費の相場
選ぶのは安心? それとも安さ?
賃貸併用住宅は自宅の一部を賃貸にしている建物です。普通の住宅と違って、建売ではなく注文住宅となります。
注文住宅を建てるにはハウスメーカーと工務店がありますが、同じものを建てた場合だと、価格は圧倒的にハウスメーカーが高くなります。
テレビコマーシャルや、住宅展示場を運営していく経費を考えれば当然です。それでも多くの人が安心感とデザイン性でハウスメーカーを選んでいます。
昨今は欠陥住宅の問題がしばしばクローズアップされますが、CMまで流している大手メーカーなら信用できますし、万が一にも問題があれば、しっかりアフターケアをしてくれるイメージがあるからです。
その一方で、工務店は地域で信用のある老舗の業者だったり、少人数経営ながら、日本古来の木造軸組み住宅をベテランの職人がつくりあげています。
心配されるリスクとしては、
- 欠陥住宅だった場合はどうなるのか。
- クレーム先が倒産していたら?
実際のところはハウスメーカーであっても倒産リスクはありますし、欠陥住宅の問題も工務店だから、ハウスメーカーだからということはありません。
つい、有名なハウスメーカーが安心と思ってしまいがちですが、現在はネットで巷の工務店がどのような評価をされているかを調べられますし、その工務店が建てている現場へ見に行くこともできます。ぜひともご自身の目で確認して欲しいと思います。
建築費はマイホームよりコストが増す傾向
それでは賃貸併用住宅の建築費用はどのくらいかかるものなのでしょうか?
賃貸併用住宅の建築費は普通の住宅に比べ、単純に床面積が増える分だけコストに反映されるものではありません。
自宅の一部を貸し出すとはいえ、一昔前の下宿のイメージで、玄関や廊下といったスペースを大家さんと入居者が共有すれば、防犯やプライバシーの問題から不便が生じます。
最低限、入口など生活空間は別に追加するのが基本です。
また、居住者(大家さん、入居者)が増えるため、それだけ世帯のために風呂・トイレ・洗面所などの水回り、ガスや電気の設備関係もコスト増になります。
よって賃貸併用住宅の建築費は、普通の住宅より基本的な部分のコストが、賃貸する部屋数だけ建築費として余分にかかるのです。
コスト高を許容できる住宅ローン
しかし投資としての賃貸併用住宅には、それらを上回るメリットがあることも事実です。
基礎工事をはじめ仮設~建築工事が、住居と賃貸部分を同時に行えますから、かなりのコストダウンが可能です。
なにより一番の特徴は低金利のローンです。
アパートであれば、アパートローンが該当されますが、賃貸併用住宅はアパートでありながら、マイホームと同じ住宅ローンを使うことができます。
つまり、通常のマイホームに比べてコスト高になったとしても、アパートローンの金利に比べて著しく安い金利の住宅ローンを受けることができます。
当然ですが、賃貸することで家賃収入も得られますので、ある程度のコストが高い部分を許容することができるのです。
